春法要と布教大会-お説教ウィーク-

超願寺

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春法要と布教大会-お説教ウィーク-

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2019/03/21 春法要と布教大会-お説教ウィーク-

3月10日、当寺にて、春法要を厳修いたしました。

春法要は、永代経、春の彼岸会とともに、とりわけ第二次世界大戦の大阪大空襲(最大規模は昭和20年3月13〜14日)戦没者追悼会としてお勤めしております。時期的に、東日本大震災の犠牲者の追悼も兼ねております。

今年は、長男も法衣姿で出勤いたしました。

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正信偈をお勤めした後は、布教です。戦没者追悼ですので、戦争にまつわるテーマとして「仏教は戦争を肯定するのか」と題してお話しいたしました。仏教は不殺生が基本ですから、殺人を肯定する戦争も否定しそうなものですが、戦争前、戦争中は、「一殺多生」(何人も人殺しをする極悪人を殺すことで、多数の者を生かす=敵国を倒して、自国と友好国を守る)という概念で戦争を肯定していました。考えてみれば、赤紙(召集令状)が届いて、それを拒否することは、僧侶であっても難しかっただろうと思います。
とはいえ、お経の中には「兵戈無用」(兵士も武器も不要となる)という言葉もあり、やはり仏教は戦争を否定しているのです。お釈迦様のエピソードにも戦争をやめさせようとするものがありました(もっとも、止めることはできなかったようではあります)。「反戦僧侶三羽ガラス」という、大谷派の有志の方が作成された書籍で、3人の反戦僧侶について勉強しましたが、故・植木等のお父さん、植木徹誠も筋金入りの反戦僧侶だったようです。

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真宗も、人殺しを肯定しているように誤解されることが多いですが、肯定しているわけではありません。人殺しによって徳を積めるわけではないのです。あくまで、宿業により人を殺すしか仕方のなかった人(武士は殺人を生業としているわけですし、人ではありませんが猟師や漁民も殺生していることに違いありません)であっても、阿弥陀様はお浄土にお迎えくださるということに過ぎないのです。

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その6日後には、同じ佛光寺派のお寺である正念寺さんでの布教大会にご縁をいただき、「修行とは」と題して、お話させていただきました。そのときの様子は、こちらをご覧ください。

真宗の説教で修行の話というのも不思議かもしれませんが、修行というのは、なかなか難しいものだということです。異安心(仏法を誤解してわかった気になること)になったり、増上慢(悟ってもいないのに悟ったと誤解すること)になったり。誰でも野球はできるけれど、全ての人間がイチローや松井秀喜のようにスーパースターになれるわけではありません。努力してなれることもあるけれど、無理なこともある。無理なことは無理だと諦めて、阿弥陀様におすがりする。御念仏という易行を与えてくださったのだし、ただただ阿弥陀様におすがりして、この世での生を全うする。それが我ら凡夫にできる精一杯ではないか。そんな話をさせていただきました。

 

世俗での様々な仕事に追われながら、なんとか2座の説法をこなすことができたのも、そういったご縁に恵まれたことだなと、ますます報恩感謝の念を強くいたしております。

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