夏安居のことなど

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夏安居のことなど

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2020/08/06 夏安居のことなど

皆さん、安居(あんご)というのをご存知でしょうか。安居とは、元々はインドの雨季に、虫や爬虫類、両生類など生き物の動きが活発になることとの関連で、修行や布教に明け暮れる僧侶が、そういった小動物を踏み潰したりしないように一つの場所にとどまって研鑽をしたことに因んだ修行期間のことを言います。

 

真宗佛光寺派では、特に住職になろうという場合には夏安居(げあんご。今どうなっているのかわかりませんけれど、春安居もありますがこれは特別で、やはり夏安居が主)を3回、住職研修を1回受けることが必要で、夏安居を受講(懸席)し教師試験を受験することで宗派内の基本的資格である教師の資格を得ることができます(布教使等の資格のプラットフォーム的資格です)。

 

私も、学生時代、年に1回8日間にわたる夏安居を3回受講(懸席)したことが懐かしく思い出されます。3年連続で受講する人が多いですが、私は1年飛ばして、足掛け4年で3回受講しました。そして近年は、「法規解説」を2コマだけですが講師を担当しております。3年連続で担当することが一応のルールで、数年前にも担当したことがありますが、昨年から、再び担当しております。

 

そんな夏安居が、今年はコロナのために中止が決まったとの連絡が。まさか、という思いが強いです。聞くところによると、戦時中の昭和20年に中止の記録が残っているということですが、今回はおそらく戦後初だそうです。それくらい、あり得ないことなのです。

 

全国から受講生(懸席者)が集まりますし、7泊にわたり寝食をともにすることですので中止は仕方ありませんが、得難い経験ですので残念に思います。急いで住職資格がいるという人がいれば、1年延期になるかもしれず、新型コロナのせいで人生設計が狂う場合もありそうです。

 

世間を見渡すと、おそらく新型コロナで人生設計に狂いが生じた人が少なくないと思います。1年、下手すれば2年。日本という国自体もオリンピックは風前の灯のような気がしますが、首相や都知事は人生設計が狂ってしまいました。

 

思えば、戦時中に日本は幻の東京大会があり、1964年にようやく開催。2回目招致が決まったらまたケチがつくという、ある意味日本という国は凄いとしか言いようがありません。私自身は、延期などと言わず、今大会は中止にして、次回改めて優先的に開催地としてもらった方がいいのではないかと思います。もともと今のような商業主義で大規模化したオリンピック招致には否定的ではありますが、まだその方が傷が浅いのではないかと。

 

人生焦る必要もないと思います。悠長なこと言ってられないよ、という方もおられるでしょうが、この時代、妙に慌ただしく忙(せわ)しないわけですけれども、人生というか、生きとし生けるもの、ほとんどのことは不要不急です。現代人だけがあくせく生きている。

 

特に若いうちは焦る気持ちもありますが、なるようになるわいと思うしかない状況はよくあることです。人間自分の意思とは別に、いろんな状況が降り注ぎます。私がどう思おうとも嵐は来ます。天災は人間にはどうすることもできません。新型コロナなんて、その最たるものですよね。多くの人が、まさか、と思っているはず。

 

新型コロナによる深刻な問題はありますが、テレワークの推進とか、宅配とか、新型コロナによって加速度的に進化したこともあります。いいこともあれば悪いこともある。禍福は糾(あざな)える縄の如し。

 

自分でできる範囲で全力を尽くし、あとは運を天に任せるしかありません。昔から「人事を尽くして天命を待つ」と言います。

 

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