戦争体験を語り継ぐ

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戦争体験を語り継ぐ

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2021/03/18 戦争体験を語り継ぐ

毎年、3月中旬に春法要をお勤めしておりますが、春の彼岸会であると同時に、大阪大空襲戦没者追悼会のために始めたのが戦後の最初であると先代から聞いております。

そのため、私がお説教させていただく際は、戦争と仏教といったテーマでお話ししておりますが(そうでなかったとしても、若干戦争に関連づけてお話ししております)、戦争を知っている世代が、ご参詣の皆さんの中にも少なくなってきました。

 

実際、話している私は祖父が戦死しており、寺の周辺が灰塵に帰した写真を見ており、何となくの感覚はあるものの「戦争を知らずに僕らは育った」世代ですので、今後ますます、戦争の恐ろしさを知らない世代が増えるわけです。

 

そんな中、こんな記事を目にしました。

 

「AI開発で世界平和に貢献」東大合格を決めたスーパー高校生〈週刊朝日〉

 

AIに戦争の記憶をインプットし、「戦争体験の継承」をさせるというものです。本当に若い世代が、こういうことをしてくれるのは嬉しい限りです。

 

春法要でもお話させていただいたのですが、「お国のため」と戦争するのは「他人のため=利他」に働くことではありません。戦争は国家と国家の我のぶつかり合いです。大日本帝国の我のために戦っても、それは他人のためではありません。戦う相手にも人がいる。その人を無視して「利他」を解いてもそれはあまりにも屁理屈であり自己都合です。国家の都合に合わせる必要はありません。むしろ戦争を止め、1人でも戦死する人を減らす努力をするべきでしょう。それが自利利他の精神に合致するのではない会消化。

 

念のためですが、第二次世界大戦等で戦死した方を貶める意図はありませんし、他国から侵害されても座して死を待てなどと申すつもりもありません。専守防衛の自衛隊の皆さんには感謝しております。

 

ただ、慈しみの心。利他は、日本人にも外国人にも、全ての人に向けられるべきもの。そして、戦争は悲しみ、憎しみ、怨みしか生まない。そう思うのです。

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