故人との意思の疎通

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故人との意思の疎通

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2021/06/04 故人との意思の疎通

死後、故人の意向に沿って海に散骨してみたものの、なんとなくしっくりこないとか、あるいはエンディングノートに散骨を希望する記載があったのでそうしようと思ったが親戚に反対された、などの記事を目にしました。私が書いたものではありませんが、今後お身内(特にご両親)の死に立ち会う可能性がおありの方は、ご参考までに是非お読みください。

 

その“思いやり”が仇になる! 遺族の負担を考えて安易に「散骨」してはいけない理由

 

本人の希望で海に散骨「手を合わせてもしっくりこない」と戸惑う遺族も

 

故人の意思を尊重するにせよ、この世では生きている人間が優先されるべき面もあるでしょう。記事にもあるように、手を合わせる対象として、お墓や仏壇にお骨がある方がありがたいという考えもわかります。

 

核家族化が進んで、親と子の間でも必ずしも日常的に顔を合わせることがない中で、意思の疎通が図れていない状況は想像に難くありません。かくいう私も、存命の両親といわゆる終活について話し合ったことはありませんし、これまでのお寺として家としての慣例に従って粛々と進めようというくらいの気持ちです。

 

故人との意思の疎通というタイトルにしましたが、死後に意思の疎通を図ることは当然できないです。できるのか?と思われた方がおられれば、失礼いたしました。そうではなくて、できないからこそ、生前にきっちりと疎通を図るべきであるし、終活をお考えであれば単にエンディングノートに希望を書くだけでなく、そうしたい理由も書いておくべきでしょう。

 

感謝の気持ちを述べるだけの「遺言」であればそれはそれでいいのでしょうが、自分の死後こうしておいてほしいということについては一言理由がないと、押し付けになってしまいます。

 

親子の確執が元で、亡くなった父親は生前「盛大に葬式を」と考えていたのに、子は一切葬式をするつもりはないと、直葬になった事例もあります。生前の人間関係をちゃんとしておかないと、自分の思いは届かないのです。

 

(お浄土へ)送られる側も送る側も、人生最後のイベントを気持ちよく行うためには、「わかってくれるだろう」という甘い考えを捨てて、しっかり理解してもらうよう、自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを受け止める気持ちが必要です。

 

なお、散骨(というよりも埋葬全般)にはルールがあり、どこにでもしてよいわけではありませんので、ルールを確かめた上で行ってください。

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