久々の投稿です-想像力と実体験

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久々の投稿です-想像力と実体験

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2022/09/19 久々の投稿です-想像力と実体験

久々の投稿です。知らぬ間に盛夏も終わりましたが、近年の日本は亜熱帯化しているのでしょう、夏が長くなった気がします。この投稿時は台風の季節。勢力が異常に強いものが増えたのではないでしょうか。それだけ海の水温も高くなっているのだと思います。

 

さて、ちょっと気になる記事がありましたので、それに関連してお話ししたいと思い、投稿いたしました。

 

「子供を産めない人を傷つけて平気なのか!」Twitterが大バズリした鴻上尚史を襲った「香ばしいリプライ」の数々

 

鴻上氏は、「僕は作家なので想像力はそれなりにあると思っていたのだが、子供を持って初めて『虐待によって殺された子供のニュース』がつらすぎて、なるべくなら見たり聞いたりしたくないという気持ちになる。子供を持つまでこんな気持ちになるなんて夢にも思わなかった。自分の想像力なんて大したことないと思った」と、ツイートされ、100万を超えるいいねがあったそうです。しかしその一方で、子供がいなくてもそのようなニュースは辛いとか子供がいないとつらさがわからないと言いたいのかとか、子供のいない人を傷つけるなというようなツイートが飛んできたそうです。

 

私は、この4月に父を亡くしました。僧侶ですので、これまでに多くの方の死に立ち会い、ご遺族の悲しみに寄り添ってきたつもりですが、自らが親を亡くすという実体験は非常に大きな影響をもたらしました。親が死ぬということを想像ではわかっていたつもりですし、その悲しみに寄り添えていたと自負しています。しかし、父が亡くなったことで1週間程度まともに寝られませんでしたし、葬儀の準備も大変でした。葬儀が終わってからも満中陰(四十九日)法要もあり、また父の死に伴う手続きがまだ今でも続いています。

 

私も想像力はある方だと思います。幼児・児童虐待は子供のいないときから心を痛めていましたが、子供ができて余計に辛く感じます。

 

世の中には想像力の範囲で留めておくべきことがたくさんあります。最近「ただ人を殺してみたかった」という犯罪者が多くいるようですが、そんなものは実行に移してどうするんだと思うわけです。麻薬なども、廃人になるだけだと想像力を働かせずに使ったら本当に人生が終わります。有名人が麻薬で捕まってちゃんと更生しているじゃないかと思われるかもしれませんが、有名人だからこそ、周りのサポートが厚いのでしょう。普通はそうはならず、ありきたりの日常生活を取り戻すことは難しいはずです。

 

想像力は大事です。しかし、実体験でより強く意識が変わることもあります。先の鴻上氏の件は、決して子供がいない人を蔑んだわけではないことは間違いない。感覚が一段階鋭くなったにすぎないのではないでしょうか。

 

混雑する電車にベビーカーで乗り込んだら別の乗客にベビーカーをたためと怒鳴られたというニュースもありました。怒鳴った乗客が子供がいるかいないかはわかりませんが、子育ての大変さを想像したら怒鳴ることはできないでしょう。もちろん、混雑する電車に乗らないようにする配慮も、子育てママには必要かもしれません。

 

日本社会もあらゆる面で分断化が進んでいる懸念がありますが、互いに互いを思いやる気持ち、それを想像力を発揮して行えば、もう少し人に優しい社会になれるかもしれません。

 

ちなみに鴻上氏は、文章の締めくくりにこのように述べられています。

 

 蛇足ながら、「子供を産めない人を傷つけて平気なのか!」というようなツイートに対して、僕の代わりに「鴻上はそういうことを言いたかったんじゃない」と、たくさんの人が嘆きつつ書いてくれました。

でもまあ、こういうツイートは、数百ほどでした。全体では100万ですから、とんでもないツイートをする人は、全体の0.1%もいないと考えられます。

これは、希望だと僕は思っています。

 

私も、他人に優しい日本人でいたいと思います。

 

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