地獄と極楽

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地獄と極楽

2017/06/17 地獄と極楽

最近は、死んだらその後は無であるとの考えが一般的なようです。その一方で、すぐに生き返るようなイメージが、とりわけ若い人を中心に蔓延しているようにも思います。ゲームや漫画の影響でしょうか、リセットできるような感覚です。

 

この世だけが人生で、死んだら無なのか。はっきり申しまして、よくわかりません。死後の世界をしのごの言ってみたところで、死んでみないとわからない。

 

でも、元東大教授のお医者さんがおっしゃっていたことはなるほどなと思ったのですが、すなわち「来世がないなら、この世で善行しようという思いは恐らくないのではないか(善行しようという思いが多くの人にあるのは、来世があるからではないか)」、と。

 

確かに、この世よりも、あの世の方が途方もない時間留まることになりそうです。この世での生は長くでも100年。でも、あの世での「生」は、見通しがききません。そうであるなら、その長らく留まるあの世で、できればより安楽な立場でいたい、だから、この世でも善行しよう、というのは、わからなくはありません。

 

まあしかし、あの世のことは、誰もあの世からこの世に返ってきていないので、よくはわかりません。真宗では徃相回向、還相回向という二回向があり、一旦極楽浄土に生まれ変わらせてもらった後、この世に来て生きとし生けるものを助ける(極楽浄土に連れて行く)、と言う考え方があります。その場合、返ってくるのは決して「霊」ではありません。そうではなくて、お釈迦様がこの世に生まれ出たように、この世の衆生を助けるためにまたこの世に戻ってくる、ということです。

 

長くなりそうなので、短めに切り上げますが、地獄も極楽も、あるかどうかはわかりません。でも地獄もありうるのではないか。わからないのですから。この世で、しっかりと生きる。その結果として、極楽浄土へ生まれ変わることができ、そうでなければ、地獄で苦しい来世を生きなければならない。そういうこともあるのかも、しれません。

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