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線香による火災のニュースに接して
令和6年は年始早々から大変なニュースが舞い込んできております。地震に遭われた方、飛行機事故に巻き込まれた方には、心からお悔やみ申し上げます。震災被害者におかれましては、1日も早い復興を願っております。
さて、そんな年始にもう一つ飛び込んできたニュースが旧田中角栄邸(現在は娘さんの真紀子さんご夫妻の邸宅)の火事でした。何でも、真紀子さんが線香をお供えしてから外に出たら窓ガラスが割れたとのこと。
ろうそくは火が出ますので危険性は皆さんご理解いただけるかと思います。私も、門徒さんのお宅にお参りに伺って、お勤めし、少し雑談等してさあおいとましようと思ってもまだろうそくが燃え尽きていない場合は、自分で消すかまたは「消えるまでお気をつけください」と注意を促してから帰るようにしています。もっとも、門徒さんや知り合いのお家でろうそくで火事になったという話は聞きません。たいてい燭台がしっかりしていますので、ろうそくが倒れるようなことはあまりないからでしょう。
それにしても、十分お気をつけいただきたいですし、よくありがちなのがろうそくは仏壇の手前に置きますので、お供物したりなどで奥の方に手を伸ばす際に衣類等がろうそくの炎に触れてしまうことです。最近の衣類は不燃性のものが多いとはいえ、少し焦げたりはありえますし、燭台ごとろうそくを倒してしまうと、おおごとになってしまいます。
で、問題は線香なのですが、赤くなってはいるものの火が出ない分、注意しようという気持ちは幾分小さいかもしれません。話によりますと、クッションの上に線香が倒れて、そのままじわじわと火が回り、まだ炎が出ていない状態でも、中の綿等が赤く高熱化していて、何かの加減で風が吹き込んだりするとそこから一気に炎が上がることがあるそうです。
実は、浄土真宗では線香は香炉に寝かせて置きます。香炉が小さい場合でも、線香をサイズに合わせて折って置くようにします。その理由は不勉強で知らないのですが、真宗僧侶は習慣的にそうしているでしょうし、夏安居等何かの機会にそういう風にするのだと教わっているはずです。
端的に申し上げれば、最初から香炉に寝かしておけば、香炉の外に倒れる心配はありません。真宗の作法が、そこまで合理的に考えてのことかどうかはわかりませんが、香炉の灰に突き刺して立てるのは、灰は柔らかいですから不安定といえば不安定ですね。
蛇足ですが、灰が火を消しやすい質のものの場合もあります。すると、線香を寝かせておくと最後まで燃えないこともあります。その場合は、線香を短く折って4本くらいの束にすると、灰に接しない線香があり最後まで燃えることもあります。
何はともあれ、皆さんも、線香でも火には違いはないと心得て、十分用心なさってください。
追記:1月11日現在、出火原因は特定されていないようです。上記の「線香原因説」は、あくまで、田中真紀子さんの発言を掲載していたニュース記事をもとにしたものです。
#浄土真宗
#真宗佛光寺派
#線香
#ろうそく
#火の用心
24/04/05
23/12/23
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令和6年は年始早々から大変なニュースが舞い込んできております。地震に遭われた方、飛行機事故に巻き込まれた方には、心からお悔やみ申し上げます。震災被害者におかれましては、1日も早い復興を願っております。
さて、そんな年始にもう一つ飛び込んできたニュースが旧田中角栄邸(現在は娘さんの真紀子さんご夫妻の邸宅)の火事でした。何でも、真紀子さんが線香をお供えしてから外に出たら窓ガラスが割れたとのこと。
ろうそくは火が出ますので危険性は皆さんご理解いただけるかと思います。私も、門徒さんのお宅にお参りに伺って、お勤めし、少し雑談等してさあおいとましようと思ってもまだろうそくが燃え尽きていない場合は、自分で消すかまたは「消えるまでお気をつけください」と注意を促してから帰るようにしています。もっとも、門徒さんや知り合いのお家でろうそくで火事になったという話は聞きません。たいてい燭台がしっかりしていますので、ろうそくが倒れるようなことはあまりないからでしょう。
それにしても、十分お気をつけいただきたいですし、よくありがちなのがろうそくは仏壇の手前に置きますので、お供物したりなどで奥の方に手を伸ばす際に衣類等がろうそくの炎に触れてしまうことです。最近の衣類は不燃性のものが多いとはいえ、少し焦げたりはありえますし、燭台ごとろうそくを倒してしまうと、おおごとになってしまいます。
で、問題は線香なのですが、赤くなってはいるものの火が出ない分、注意しようという気持ちは幾分小さいかもしれません。話によりますと、クッションの上に線香が倒れて、そのままじわじわと火が回り、まだ炎が出ていない状態でも、中の綿等が赤く高熱化していて、何かの加減で風が吹き込んだりするとそこから一気に炎が上がることがあるそうです。
実は、浄土真宗では線香は香炉に寝かせて置きます。香炉が小さい場合でも、線香をサイズに合わせて折って置くようにします。その理由は不勉強で知らないのですが、真宗僧侶は習慣的にそうしているでしょうし、夏安居等何かの機会にそういう風にするのだと教わっているはずです。
端的に申し上げれば、最初から香炉に寝かしておけば、香炉の外に倒れる心配はありません。真宗の作法が、そこまで合理的に考えてのことかどうかはわかりませんが、香炉の灰に突き刺して立てるのは、灰は柔らかいですから不安定といえば不安定ですね。
蛇足ですが、灰が火を消しやすい質のものの場合もあります。すると、線香を寝かせておくと最後まで燃えないこともあります。その場合は、線香を短く折って4本くらいの束にすると、灰に接しない線香があり最後まで燃えることもあります。
何はともあれ、皆さんも、線香でも火には違いはないと心得て、十分用心なさってください。
追記:1月11日現在、出火原因は特定されていないようです。上記の「線香原因説」は、あくまで、田中真紀子さんの発言を掲載していたニュース記事をもとにしたものです。
#浄土真宗
#真宗佛光寺派
#線香
#ろうそく
#火の用心