一般葬と家族葬

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一般葬と家族葬

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2018/05/27 一般葬と家族葬

ネットニュースに、以下のような記事がありました。

 

「家族葬」と「一般葬」のコスト試算 香典ある一般葬が割安

 

私も、実感からすればそうではないかという気がしています。

 

ただ、それでもなお家族葬を選ぶ方が増えた理由は、他者とのつながりを面倒だと思う方が増えたからではないか。ご批判もあろうかとは思いますが、一理ある理由としては、故人の知り合いがわからない、ということもあります。家族ぐるみの付き合いというものが少なくなっていますから、声をかけたくても、誰に知らせるべきかわからない。

 

香典をもらうと、香典返しを何にしようか、どんな程度のものをお返しすべきかと悩みます。葬儀屋さんや百貨店に依頼して発送してもらうとしても結構な手間。持参するとなると先方が在宅時に伺うのに時間を合わせたり、大変な手間です。今はその手間を、宅配業者の方々が担って下さっているのです。ありがたいことです。

 

しかし、元々は、そういう人々のつながりを大事にするのが、日本社会でしたし、故人の人的関係をも含めて、相続する。それが葬式でした。もちろん、あくまで故人の友人であって、遺族(相続人)が友人となる必要まではないとはしても、生前、故人がお世話になったと、礼を述べ、故人の友人・知人と故人との間の人的関係に一区切りつけるのも葬式の役割。

 

亡くなったことを知らさなかったがために、感情的なわだかまりが先方に残ったり、あるいは、五月雨式に「線香をあげさせてほしい」と訪問客がひっきりなしで、こんなことなら一般葬にしておけばよかったというケースもあるといいます。

 

昨今、とかく人間関係がややこしく、お釈迦様が示されたわずか8つの苦の中に「怨憎会苦」(憎い人と会ってしまう苦)が含まれているのも仕方のないことだろうと思います。気の合う人ばかりならいいけれど、十人十色ですから、気の合わない人もいて当然。

 

大変な人間関係ですが、それでもなお、いろんな経験を積んでこそ、いろんな人と出会ってこそ、人を見る目も養われます。昨今ニュースで見かけるように、日常生活の中に、本当に怖い人が紛れ込んでいるかもしれませんが、通常は、人に危害を加えるほどのひどい人間はそうはいません。むしろ、まだ出会っていない気の合う人を探す「旅」を、死ぬまで続ける。それもまた「人間」の本質ではないでしょうか。

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