天災と人災

超願寺

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天災と人災

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2018/09/09 天災と人災

台風および地震の被害に遭われた皆様には、心中お察しいたしますとともに、心からお悔やみ申し上げます。どうぞお疲れの出ませんように。

 

さて、過日、関西を直撃した台風はあちらこちらに爪痕を残し、被災された方々は、その後片付けにご苦労なさっていることと思います。例えば自宅の補修だけでなく、自宅から飛ばされたもので近隣に被害が出たときには、その補償の話し合いも必要になるでしょう。大変なご心労とは思いますが、止まない嵐はない、終わらない冬はないと気を強く持たれて、ご対応ください。

 

ところで、当寺は、台風では特段大きな被害もなく、ホッとしておりましたら、台風の翌日に当寺の前でタクシー同士の事故。追突された側の車両が道路標識をなぎ倒し、標識が当寺の庇に接触して一部欠けてしまいました。さらには、お地蔵さんの土台の石も少し欠けてしまいました。大きな被害ではありませんでしたが、少し当たり方が悪ければ、お地蔵さんとその祠もなぎ倒されていたかもしれませんので、不幸中の幸いではありました。

 

天災はある意味仕方ないですし、それこそ自然に対する畏怖の念を持ちつつ、恩恵も与えてくれる自然に対して感謝を持たねばなりませんが、天災で被害がなかったのに、人災での被災。しかもプロのドライバー同士の事故。何とも後味悪いものです。

 

自然の営みは、悪意も何もありません。ただ、それが自然というもの。天災であっても被災すれば大変ですが、仕方ないと諦念せざるを得ない面もあります。ところが人災は、少しの注意力で避けられるはずのものです(関空の事例で、私見としましては、高潮は想定外であり浸水は不可抗力だろうと思いますが、橋の破壊は、船が注意力を発揮してもう少し離れて停泊すべきで、人災とも言えなくはありませんね-法律論はさておき)。

 

自然は怖いものですが、その自然から私たち人類は生まれてきました。だから、怖がっていても仕方ありません。繰り返しになりますが協調しておきますと、自然に対しては、畏怖の念と感謝の気持ちの両方を持ちながら生きて行かざるを得ない。

 

「お化けや幽霊より、よほど人間の方が怖い」という言葉を耳にしたことがありますが、「お化けや幽霊」の正体はおそらく「自然現象」です。そう考えると、「人間の方が怖い」というのは、ある意味真理なのかもしれません。

 

人間も自然の一部なのですが、自然と切り離された特別な存在という驕り高ぶりが感じられる昨今。自然現象には悪意も何もないでしょうが、「あんたら人間も、自然の一部なんよ」と諭しているようにも、感じられます。人間は、お釈迦様の掌の上で暴れているだけの孫悟空にすぎないのです。

 

台風も地震も、大変なことでした。また何時、大きな天災がやってこないとも限らないわけです。被災していなくても、「備えよ常に」。「天災は、忘れた頃にやってくる」。喉元過ぎても忘れることなく、互いに注意を怠ることなく、また助け合いの精神も持ちながら、暮らしていきましょう。

 

 私には何の力もありませんが、被災された方々の、また、被災した地域の、早い復興をお祈りせずにはいられません。

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