明日ありと思う心の仇桜

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明日ありと思う心の仇桜

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2021/04/26 明日ありと思う心の仇桜

 コロナ禍も2年目となり、年度としても2年目の年度を迎えて早1ヶ月ほど。緊急事態宣言も3度目となり、伝家の宝刀を使いすぎると飽きられるわけで、ネット上では賛否渦巻き、とりわけ「弛んでいる奴が多い」と自粛警察的発言も多々見られます。

 

しかし2年目だから気が緩んでいるというわけではなく、むしろ、明日をも知れぬ命、コロナに怯えて今すべきことをしないのもまた違っているのではないかという気もしています。

 

親鸞聖人は、得度(僧侶になる儀式)をしてほしいと青蓮院の住職に頼んだところ、夜も遅いから明日にしないかと言われて、

 

明日ありと思う心の仇桜 夜半(よわ)に嵐の吹かぬものかは

 

と詠んだと言われています。明日があると思っていたら夜中に嵐でも吹いて得度どころではなくなるかも知れないではないか、今やってほしい、といった内容です。

 

今回、緊急事態宣言が出されて、年忌法要を取りやめるとの連絡が何軒か来ました。昨年はもっと多かったですが、私はそれは仕方ないことと、受け止めております。とはいえ、年忌法要はその年にしてこそですから、本来なら、なさる方がいいのかなと思ったりもするわけです。もっとも、これはお家お家の判断であり、また人が集まって感染したりすればそれこそ「後悔先に立たず」ですから、中止にしていい。

 

緊急事態宣言が発令されたからウイルスが広がるわけでも、解除されたから無くなるわけでもありません。見えない敵と戦っているわけですから、行政が何を言おうと関係なくこの人間社会のどこかに潜んでいるはず。

 

できる限りの感染防止対策をとりつつ、一定程度行政にも協力しつつ、でも、今すべきことは人それぞれ違うでしょうが、今を生きることこそが大事なこと。感染したくないから完全に引きこもる、というのももちろんありですし、いや、運動不足で体に悪いから、毎日ウォーキングには出かけるぞというのもありでしょう。

 

いつもの通り話が長くなりますが、大学での授業の実施について、「対面授業すべきだ」という考えと、「オンライン中心であるべきだ」という意見があります。昨年度以降、前者が世論であり、世論をたてに、文科省も対面授業の率が低い大学を公表したりプレッシャーをかけていました。大学生の行動範囲と行動形態を知る現場の人間からは、感染防止の観点から後者の見解が強いと言えます。

 

大学には、大勢の学生がおり、学年によってもそうですが、「大学に行きたい」(主に新入生、2回生)、「できればオンラインの方がいい」(3、4回生)の両者の意見があります。

 

今回、3回目の緊急事態宣言が出て、新年度の授業運営は混乱を極めました。昨年よりもマシだろうというのと2回目の緊急事態宣言が解除されたこともあり、まずは対面を主としてやりましょうとなった。ところがほんの数日で、教室や至る所で密が発生しこれはまずいということで、学部ごとに隔週で対面とオンラインということになり(理論上通学者数を5割に減らす趣旨)、ところがこれでも大丈夫かと議論錯綜していたところに緊急事態宣言発令で、やむなく全てオンラインということになりました(一部実習等を伴うものを除く)。

 

しかし、宣言が解除されたとき、再びオンライン派と対面派で大論争になることは目に見えています。私の中では、せっかく大学に入った喜びを味わいたいであろう時期に100年に一度のパンデミックに出会ってしまい辛い思いをしている学生に大学に来させてあげたいという気持ちと、感染防止のためには来させてはダメだろうという気持ちが同居しており、一概にどちらとも言いかねています。

 

個人的には、大学に来たい学生には来させてあげる方策を、怖いから来たくないという学生にはオンラインなどで学べる方策を、いずれにとってもいい方策を示してあげたい、そしてそれをどのように選択するかは学生個人のライフスタイルと考え方に合わせて、というようにしたいと思っていますが、賛同を得るのは難しいようです。

 

いずれにせよ、それぞれの考えに基づいて、単に行政の発令に振り回されるのではなく、何をすべきか、各自で考えてみませんか。そして、何よりも感染しないことが大事なのであって、引きこもることも、無茶な行動を取ることも、極端であるべきではないのではないかと、思います。

 

#親鸞聖人#得度#新型コロナ#感染

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