故人をお見送りするということ

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故人をお見送りするということ

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2023/07/25 故人をお見送りするということ

通夜葬儀のことを前回・前々回と書きましたので、関連して述べたいことがありましたので、引き続き(お布施の話ではありませんが)。

 

通夜葬儀は何のためにするのか。故人との今生の別を悼み、故人への感謝を表す儀式であるというのが、大前提です。

 

現在は家族葬が中心になっておりますので、家族・親戚と故人との関係がクローズアップされ、その関係性の中で告別式が行われるのが一般化しました。しかしながら、故人は家族・親戚とは別に、個人的に付き合いのある友人・知人がいます。高齢化社会において、その友人・知人も多くは亡くなっておられたり、足腰が弱って参列できないということも多いですが、しかし元気なご高齢者もおられます。

 

そういった故人の人間関係をも含めて相続し、亡くなったことを広く知らしめるのも、葬儀告別式の意味合いです。付き合いのある人がわからない、付き合いの濃淡がわからず、どの辺まで連絡していいかわからない。だから連絡できないということもあるでしょうけれど、可能な限り把握して、連絡することも場合によっては必要なのかなと思います。

 

この辺は、故人も生前ご家族とよく話をしておくべきでしょうし、エンディングノート的なものに記しておくべきでしょう。私ごとですが、顔の広い先代住職の、お付き合いのある方のどこまでご連絡すべきか非常に悩みました。関与していた会や団体には、事務局等に連絡すれば一気に伝達できてありがたかったのですが、そうでない場合や、関与していた会や団体で付き合いの深かった方が、その会や団体をすでに引退されているような場合、伝達されていなかったこともありました。

 

一般的にも耳にすることとしては、家族葬だからと連絡しなかったら、亡くなったことを後から知って、線香の1本でも手向けさせてほしいとひっきりなしに弔問客が来ることがある場合もあると言います。私も、「お父さんが亡くなったことを知らなかったよ」と、後から弔問にお越しいただいたことがありしました。

 

うちはお寺ですので後から弔問に来られるのも歓迎しますが、葬儀告別式でできる限り多くの方に知らせておいた方が後々楽な場合もあります。大体において、連絡していなかったことを責められているわけではなくても、ちゃんと連絡したらよかったなあと恐縮してしまいます。

 

故人が葬儀はいらないと遺言しているケースもあるでしょうが、古くからのお友達等にすればせめて葬式くらい最後に参列したかったなあと思われることもあるかもしれません。こういったことは、故人の生前から、しっかりやりとりしておいた方が、ご遺族としても気持ちよくお浄土へお送りすることができると思います。

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