お盆について

超願寺

06-6631-8956

〒556-0016 大阪府大阪市浪速区元町1-12-3

lv

お盆について

ブログ

2023/08/06 お盆について

関西ではもうすぐお盆の季節ですね。

 

ご質問がありましたので、お盆の意義について申し述べたいと思います(仏教逸話としての盂蘭盆会については、今回は省略します)。

 

まずは初盆(新盆)ですが、満中陰(四十九日)が済んでからというのが一般的な理解です。例えば8月頭に亡くなったとすると、満中陰は9月になりますから、今年は飛ばして来年が初盆ですね。まだお浄土に行くことが決定していない満中陰までは、死者(の魂)がこの世に戻ってくることもないという発想からそうなっているのだと思われます。

 

考え方は宗派によっても異なりますので一私見と考えてもらえればありがたいですが、お盆自体はあまり重視しないのが真宗の考え方です。というのは、上述の一般的な理解とは異なり、死者は即お浄土へ生まれ変わると考えますので、満中陰までの七日ごとの中陰(お浄土に行くか地獄に行くかの審判)は基本的に不要です。とはいえ阿弥陀様に感謝し死者との別れを悼む法要として、中陰法要は真宗でも行います。

 

では初盆やそれ以降のお盆にどんな意味があるのか。死者(の魂)がこの世に戻ってくると考えるのがお盆の一般的な考え方です。したがって、13日にこの世に戻ってきて16日にお浄土に戻るというのは、京都の五山の送り火が16日に行われることからも、有名ですね。

 

しかしながら、死者は死とともにお浄土へ生まれ変わり、阿弥陀様のお力によって仏様となられます。さらに、いつでも仏様としてこの世に戻ってきて、衆生救済に尽力されているのです。お盆だけ特に戻ってこられるわけでもありません。私のお墓の前で泣かないで、そこに私はいないという私も好きな歌「千の風になって」がありますが、私はこの歌詞をいつも、墓に眠ってはいないよ、風となって墓にもいるし仏壇にもいるし、あなたのすぐそばにいますよ、という意味にとらえています。

 

ですので、お盆のお勤めもまた、故人を悼むため、阿弥陀様に感謝するための法要です。大阪真宗協和会が作成しております法語ポスターを当寺でも掲示しておりますが、つい先日、次のようなものを掲出しました。

 

法事は みんなで仏様に 会う日

 

お盆はご先祖様がこの世に戻ってきつつ、むしろ、親戚が集まって、みんなでご先祖様を含む仏様に感謝する日です。これも以前の法語ポスターですが、

 

先祖より 子の帰省待つ 親心

 

というのもありました。亡き人をご縁に親戚が集まり語らう場が設けられる。それもまたご先祖様に感謝しなければいけませんね。初盆は、満中陰前でもかまわないと私は思います。

 

ちなみに、親戚が集まる機会という意味では、13〜15日にこだわる必要もありません。皆さんが集まれる日にすればいいのです。関西では8月23、24日が地蔵盆の日であるように、8月は押し並べてお盆の月ですから。

 

毎月集まるのは大変でも、祥月命日やお盆、お彼岸あたりに皆さんで集まって、語り合う機会を作ってみませんか。

TOP