その人は、本当にあなたに寄り添ってくれる方ですか？

タイトルからして、何の話だろう？と思われたかもしれません。

特殊詐欺が減りませんね。また、特殊詐欺でなくても、自分だけが良ければという態度の営業マンも少なくありません。業績を上げなければ、特に成果報酬を取り入れている企業では、給料も増えません。契約の相手方とのウィンウィンではなく、とにもかくにも契約を締結させようとする業者は少なくありません。

個人的に、何度も経験していることですが、IT関連の業者の多くが、当方にやってきてはこんなホームページはどうかとか、SEO対策はどうとか言います。しかし、ほとんど90％以上が、今ここで即決してくれと言います。前向きに考えるからこそ少し考える時間がほしいということもありますが（こりゃダメだと思えば即決してお引き取り願うわけです）、それをさせてくれない。寺院も事業者ですので、一般消費者とは異なりクールオフの制度がなかったりするので、即決させた方がいいのでしょう。

ところが即決して、この取引はうまく行ったなあと思うのはごくわずかです。そんなわけで、最近は全て訪問さえお断りしています。

弱っている時に寄り添ってくれる人は、いい人に違いありません。英語の諺でも「A friend in need is a friend indeed（必要なときの友は本当の友）」というのがあります。

しかし、弱っている時に集（たか）ってくる輩もいます。寄り添ってくれているのか、それとも集ってきているのか、見極めは難しいですが、詐欺師は詐欺師の顔をしていません。

見極めること。善人悪人の判断はかなり難しいですが、先に述べたように考える時間すら与えないのは、特殊詐欺ならずとも危ない企業だと心得た方がいいかと思います。人を見る目を鍛えましょう。そのためには、いろんな人と分け隔てなく付き合ってみることしかありません。

コロナ禍も一応終わり、人と人とのつながりが切れた、分断された社会を修復するべき時期です。3年も続いたコロナ禍でなかなか修復は難しいですし、また他人を信用できない事例がニュースなどでもよく取り上げられると、ますます人との付き合いを断ち切ろうということになりますが、それは悪人の思う壺なのかもしれません。

他人、社会とのつながりを断ち切ることは、困ったときのセーフティネットが効かないということにもなります。遠くに住んでいても親子の付き合いがしっかりしていれば、いわゆるオレオレ詐欺にも引っかからないでしょう。還付金詐欺にしても、金融機関や行政の信頼できる知り合いがいれば、そんな制度があるのか尋ねることができるでしょう。

ひとりが幸せ　みんなが幸せ

不定期で張り替えております寺の前の掲示物です。「一人一人が幸せなら、社会全体も幸せ」という意味と、「孤独も楽しみ、人付き合いも楽しみ」という意味をかけてみたつもりですが、いかがでしょうか。