寂聴さんと小保方さん

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2018/04/01 寂聴さんと小保方さん

  婦人公論で、小保方さんが本を出したことが紹介されています。「今日を生きることにもう迷いはありません」

もう、お忘れの方もおられるかもしれません。リケジョとして一躍花形になったかと思ったら、急転直下、犯罪者のごとく糾弾された小保方晴子さんが、その風貌がいい方に変わったと、ネット上で話題になっているとか。

  私は、理系の専門知識はないのでSTAP細胞があったのかなかったのかはわかりませんし、小保方さんの人となりも知りません。ただ、本人にもよくわからない何かがあり、思いもよらない状況に追い込まれたのだろうと、報道される情報からは感じました。陰謀論には与しませんが、少なくとも彼女の故意ではない、と。まあ、博士論文は問題が大きかったようですが。

  この文章を書いている理由は2つ。

  一つは、寂聴さん、数々の苦難を経験されているだけに、素晴らしいなあ、本当の僧侶だなあということ。小保方さんと対談して、小保方さんを励ましたのは、寂聴さんです。若者への温かい、寂聴さんの思いが伝わります。

  犯罪者であっても、何をされても耐え忍ばなければならないわけではありませんが、犯罪者でもないのに犯罪者扱いされた小保方さんに、強いメッセージを与えられた。小保方さんがどう思われたかわかりませんけれども、寂聴さんに生きる力をもらったのではないでしょうか。

  私に寂聴さんのような力はないけれど、こんな僧侶に、憧れます。苦とどう立ち向かうか。仏教の真髄はそれに尽きます。

 二つ目は、中庸ということ。日本人に限りませんが、周りに流されやすいというか、端的に言えば、流行に踊らされやすいところがあります。

  私ごとで恐縮ですが、昔から、他人から褒められるのもけなされるのも嫌でした。褒められると本当にそう思っているのか?自身はそんな風には思えないぞと身構え、けなされると他人からなぜそんなことを言われなければならないのかと反発しました。

  最近も、ある知り合いから、ネガティブだねと言われましたが、そうかなあ?と強く反発しました。ただ、納得する面もあって、私自身ネガティブでもありポジティブでもある、のです。

  人間は複雑です。一面的に見られたくはない。それと同時に、単純に生きた方が楽だから、無意識で周囲に流される面もある。

  お釈迦様は中道・中庸の大切さを説きました。風見鶏ではなく、右でも左でもなく、真ん中を貫く。難しいですが、考えて考えて、真ん中を貫くと、互いのメリットデメリットが見えてくる。偏見、先入観にとらわれない大事な何かが見えてくる。

  大変な思いをされた小保方さんの行く末に幸あれと思いつつ、私自身も、寂聴さんのようにしなやかに、また、中庸を貫く生き方を志向したいと思います。

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